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時計のオーバーホールなんてしない!それで本当に大丈夫?

腕時計を買って、数年経ってくると徐々に不調が現れてきますよね。

そんな時、頼りにするのが「時計の修理店」ですが、正直そこまで時計に詳しくないから、すすめられても値段の高いオーバーホールはせず、

トケイダイスキ
トケイダイスキ

とりあえず電池交換だけで……、

なんて方も多くいると思います。

そこで、なぜオーバーホールをすすめられるのか。

腕時計を使っていくにはなぜ、オーバーホールをしないといけないのかの疑問についてまとめました。

オーバーホールはなぜ必要?

オーバーホール=時計の健康診断

時計を購入してから3,4年経ち電池交換以外これといったメンテナンスをしていなくても、ぜんぜん買った当時と変わらないと思っていますか?

そう思う人からすると、なぜ、オーバーホールがそんなに大事なのか検討もつきませんよね。修理店としては単価の高そうなオーバーホールをすすめることで売り上げにつながるのかな、なんて思ってしまう人もいるかもしれません。

そこでまずは、オーバーホールで何をしているのかをざっと確認しましょう。

【オーバーホールでしていること】

  1. 外装のチェック(針、ケース、ガラスなどの)
  2. 中身の部品チェック
  3. 修理、交換が必要なパーツチェック
  4. 内部部品、外部部品ともに洗浄(超音波洗浄機、手洗いなど)
  5. 元通り組みなおす
  6. 数日間かけて動作チェック

以上からわかる通り、あなたがまだ気が付いていない不調の種を調べ、事前に修理や交換などすることで大きなトラブルを防いだり、トラブルの早期発見をするのがオーバーホールなんです。

見た目に変化がないから大丈夫は危険?!

腕時計は、とても細かで繊細なパーツが集まってできています。

そして、そのパーツはもちろん、外からは目視で確認することができない内部にもたくさん存在しています。

そしてそのパーツの中には「壊れてからじゃ遅い」というものも、少なからず含まれているんです。

外からではわからないけれど、

  • オイルが固まっていたら?
  • 大切な部品が摩耗していたら?
  • 細かなホコリが蓄積されていたら?
  • 電池が劣化していたら?

これら故障の原因になる症状を放っておくことで、早期に気がついていたら大したことのなかった不調が、大きなトラブルにつながり、動かなくなってしまうこともあります。

オーバーホールは、長く時計を愛用していくうえで欠かせない「予防」としての意味も込めているため、どこの修理店でもおすすめされるのです。

オイルが固まることで起きる故障

  • 針が遅れる
  • 針が止まる

時計の中には、ホゾ穴と呼ばれる部分にはオイル(潤滑油)が入っています。このオイルがあるおかげで、歯車がスムーズに動く手助けになるのですが、長い間手入れをしていないと、オイルが固まってしまい、歯車の動きの妨げとなり、遅れや止まるなどの故障の原因となります。

オイルは、歯車同士がかみ合う事で起きる、微量の金属粉と混ざりあった状態を長い間放置するこで、固まってしまいます。

なので、オイルを固まらせないためには、分解洗浄をした後に、古いオイルから新しいオイルに注油することが重要です。

部品の摩耗で起きる故障

  • 針が遅れる
  • 針が止まる
  • 時計から変な音がする

時計の中はいくつもの細かいパーツで出来ています。どんなに大切に使っていても、必ず経年劣化・摩耗が生じてしまいます。また、機械式の時計の場合だと、使わない日にも関わらず良かれと思ってゼンマイを巻いている人もいるでしょう。

しかし、使わない日にわざわざムーブメントを動かすことは、無駄な負担をかけてしまっていることになり、内部パーツの摩耗を速めてしまうので、ゼンマイを巻かずにそっと休ませておくことも大切です。

パーツの摩耗など内部のことは、外からでは確認ができないため、「不調」として表れてからしか対応が難しいこともあります。しかし、場合によっては不調が出てからでは修理が難しいことも……。

そのため、各時計によって設定されている「オーバーホール」の周期を基準に定期的なメンテナンスで大きな故障を予防していくことが重要です。

内部に溜まった塊状のホコリで起きる故障

  • 針が遅れる
  • 針が止まる

精密に作られている時計の中にも、ホコリは溜まっていってしまいます。数年ごとに分解洗浄などで、細部のお手入れができていればよいのですが、なかなか出来ていない場合は、ホコリが塊状になりまるで小石のようになってしまう事も。

時計の中にホコリの塊があることで、劣化を早めたり、キズの原因になってしまうこともあります。劣化が早まった結果、時計の不調として針が遅れたり止まったりして時間を確認できなくなってしまうなんてことも。

ホコリを塊状にしないためには、長期間ホコリを放置し続けないことが大切です。とはいっても、過剰に清掃する必要はありませんので、無理して自分で時計内部を掃除しないで大丈夫です。

あまり使っていない時計で、特に目立った不調がない場合でも、5年前後を目安とし、修理店やメーカーなどしかるべきところで、分解洗浄をしてもらうことが重要です。

電池の劣化で起きる故障

  • 針が止まる
  • 中身の漏洩で大きな故障につながる

電池式の時計は、当然ながら電池が切れてしまいます。なので、単純に電池切れの場合は、交換すればまた時計は正常に動き始めます。

ここで注意しなくてはいけないのが、単なる電池切れではなく、電池が漏洩していた場合です。電池の中に入っているアルカリ液が時計内の回路に流れ込んでしまうため、大きな故障の原因となってしまいます。

電池交換をせずに、そのまま置きっぱなしにしていると、針が動かなくなるだけではなく、予期せぬ大きな故障の原因にもなってしまいます。なので、電池交換の目安とされている2年前後経ったときには、電池交換やオーバーホールを依頼し、液漏れしていたとしても早期に発見できるようにしておくことが重要です。

長く現役として使いたいならオーバーホールは必要

以上のことから、時計を購入して数年経っているものは、外観に不調がなくても、内部的には着実に経年劣化していて大きな故障につながる可能性が高まっています。

オーバーホールは大きな故障を起こさないための重要な検診です。

最近どうも時間がズレやすい

買ってから5年程度たっている

修理店でオーバーホールをすすめられた

そんなときは、現状の時計の状態を知るためにぜひ、オーバーホールをしてみてください。